1.補助制度の概要

事業の趣旨

これまで木材があまり使われてこなかった非住宅や中高層建築物などの分野でのCLT(直交集成板)の活用により、木材の新たな需要を創出し、林業・木材産業の成長産業化ひいては地方創生にもつながることが期待されています。
こうした中、CLTの建築材料としての普及に当たっては、CLTを用いた建築物の一般的な設計法や施工方法等を普及するとともに、今後は、中高層建築物等での活用やRC造などの他工法と比較して、遜色ないコストを実現する工法などを実証する建築実績を積み重ねることが必要です。このため、本事業は、コストや耐震・居住性能、施工性に優れたCLTの多様な活用事例を全国各地に創出する観点から、CLTを活用した普及性や先駆性が高い建築物等の設計・建築等の実証についての提案を募り、その過程により、新たな発想等を引き出すとともに、普及のための課題点やその解決方法を明らかにし、具体的な需要につなげることを目的としています。
木構造振興(株)と(公財)日本住宅・木材技術センターは、募集要領に基づき共同でCLTを活用した建築物の設計・建築等の事業(以下、「実証事業」という。)を募集し、実証性の高い優れた提案を選定します。本事業の実施に当たっては、別に定める助成金交付規程によりその事業経費の3/10または1/2を上限に助成を行います。

対象事業等

1.公募する事業内容
CLTを活用した建築物の設計・建築等を対象とします。
また、提案する実証事業は、次の全ての要件に該当することが必要です。ただし、建築物の主要用途が一戸建ての住宅の場合にあっては、公募に参加できません。
(1)CLTを活用した建築物を建築もしくは設計するもの。なお、次の項目についても該当範囲内とします。
ア.CLTを部分的に利用するもの。
イ.工作物等を建築するもの。
(2)実証する内容が明確であり、かつRC造など他構造とのコスト比較が行われるもの。
(3)提案した実証事業を、平成30年2月末までに完了できるもの。
(4)資金計画が明確になっているもの。

2.応募資格者
応募者は、建築主を基本とします。実証する事業内容が建築物の建築に至らない提案は、提案内容を主体的に実施する者であって事業経費を負担する者とします。

3.公募する事業の種類
公募する実証事業の種類は次のいずれか(組み合わせても可)とします。ただし、RC造などの他工法と工事費、工期などを比較し、CLTの利点や課題点などを明らかにする資料を作成することとします。なお、実証しようとする内容のみが助成対象です。
(1)建築物の建築実証
例)CLTを構造部材として利用した建築物を建築することにより、コスト縮減や施工方法等を検討・確認するもの。
(2)建築物の設計実証
例)CLT を構造部材として利用する建築物について、コス
ト縮減や施工方法の課題等を踏まえて、設計するもの。
(3)部材の性能実証等
例)CLTを利用した建築物を設計するために必要な構造、防耐火、遮音、断熱、耐久性等の性能試験を行うもの。

4.事業規模
本事業規模は助成額(国庫補助金額)として72,900,000円を予定しています。採択事業数の目安は5件程度です。

木構造振興株式会社
公益財団法人日本住宅・木材技術センター

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